アメリカ近代政党の起源
1776年~1809年
著者 ウイリアム・N・チェンバーズ
訳者 藤本 一美
判型:A5判・上製・238ページ
発行日:2013年8月31日
ISBN:9784904180327
定価:3,200円+税
本書は、ウィリアム・チェンバーズ(William Nisbet Chambers)の『新興国家の政党-アメリカの経験、1776年―1809年』(Political Parties in a New Nation: The American Experience, 1776―1809 )[ニューヨーク州、オックスフォード大学出版会、1963年刊]、の全訳である。題名はその内容を汲みとり、『アメリカ近代政党の起源』とした。
チェンバーズは、1939年ハーバード大学を卒業し、1949年にはワシントン大学から博士号を授与されている。チェンバーズは、長らくワシントン大学の歴史学部の学部長を勤め、そこで歴史学と政治学を講じ引退した。
本書の特色を一言で述べるなら、アメリカの独立から30年余りの間に、現在のアメリカの政党が確立していく過程を詳細に論述している。最初の近代的な新興国家である「アメリカ合衆国」において、はじめて出現した近代政党の形成史を論じるものである。政治学の理論やモデルによって問題を設定し、それを歴史研究の成果に適用して分析・検討している。
チェンバーズの方法論には、多元主義的民主制に対する強調、および政党の経済的基盤への軽視という欠点も見られないでもない。しかし、いわゆる「第一次アメリカ政党制」形成の概説書としては、他に類のみない優れた研究内容を有していると思われる。出版されてから50年以上経過した現在でも、分析手法も素晴らしく古さを感じさせない。アメリカ政党政治史を研究する者にとって必読の書と言えよう。
訳者:藤本 一美(ふじもと かずみ)
1973年 明治大学大学院政治経済学研究科・博士課程修了
現在 専修大学法学部・教授
専攻 政治学
主要著作 『ティーパーティー運動-現代米国政治分析』共著(東信堂、2011年)、他多数
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