<研究ノート>上院廃止 ~二院制議会から一院制議会への転換
著者 藤本一美
サイズ:A5判・246ページ
発行日:2012年9月10日
ISBN:9784904180228
定価:2,857円+税
我が国の二院制のあり方が問われて久しい。21世紀に入り、世の中のスピードがすべてにわたって過去と比べものにならないほど早くなっているにもかかわらず、一刻を争うはずの国政上の課題が二度にわたる国会審議で遅滞し、国民の背負うコストは膨大なものになっている。
我が国の第二院である参議院は当初、良識の府として独自色を発揮し、それなりに機能していたといえる。しかしながら、その後、参議院の政党化に伴い衆議院の“コピー”と化し、しだいにその存在意義を失っていった。そのため、最近では、参議院は一体何のために存在するのかといった、疑問の声が国民の間から上がっている。
第二次世界大戦後に、新たに独立した国家の多くは一院制議会を採用する傾向にあり、また二院制議会を採用していた国家でも、その後一院制議会へと転換した事例もいくつか存在する。
本書は主として、第二次世界大戦以降、二院制議会から一院制議会へと転換したニュージーランド、デンマーク、およびスウェーデンにおける上院廃止の事例に的を絞って、二院制議会から一院制議会への転換の背景と諸要因を紹介している。
仮に近い将来、わが国においても、二院制国会の見直し、すなわち、参議院の改革や廃止が俎上に乗る場合、本書が大いに参考となるであろう。
著者紹介
藤本 一美(ふじもと かずみ)
1973年 明治大学大学院政治経済学研究科・博士課程修了
現在 専修大学法学部・教授
専攻 政治学
主要著作 『ティーパーティー運動-現代米国政治分析』共著(東信堂、2011年)、他多数
(C)SHIGAKUSHA Inc. 2012 All rights reserved. No reproduction or republication without
written permission.
掲載の記事・写真・イラスト等のすべてのコンテンツの無断複写・転載を禁じます。
TEL: 03-6260-7177
FAX: 03-6260-7178
10:00〜17:00
土・日・祝日は休業