現代に伝えたい私の「満洲」
著者 本多 正
判型:A5判・上製・584ページ
発行日 2014年11月29日
ISBN:9784904180464
定価:2000円+税
終戦70年の節目に贈る感動巨編!!
大正6年(1917)二十歳の時、満鉄中央試験所職員として大連に渡った著者。 尋常高等小学校卒でありながら、独学・苦労辛酸を重ね新聞記者に転身し、満洲事変と日中戦争当時、新聞記者としての辣腕を揮う。その後、牡丹江特産商連合会、東満飼料、亜細亜紙灰などの役員を歴任・兼任し、実業界でも活躍する。終戦と同時に全ての物を失い、一家6人は昭和21年(1946)、着の身着のままで祖国へ引揚げて来た。満洲での実体験を綴った長編の秘録である。=総ルビ本=
目次(抜粋)
第1章 在満三十年の走馬灯
―侵略の魔手から中国を守った日本人
2中国領満洲を死守した日本 3電光石火ロシアの満洲侵略 5国難の代償は鮭の尻尾半分 7対支21ヶ条と排日の烽火 8満鉄包囲線と張作霖の謀略 9中国は群雄割拠の乱世 10鉄嶺は日支軍隊衝突事件 13孟将軍の叛旗と第一奉直戦 14第二奉直戦 15郭松齢参謀長の叛旗 16張作霖関東軍の袖に縋る18蒋介石の北伐と張作霖の爆死 19満洲日本青年模擬議会 20奉天政権の知恵袋お手討21中村大尉虐殺事件 22満洲事変勃発 23鉄道の犬釘抜取事件 25満洲建国の大理想 27世紀の盛典図佳線開通式
第2章 玉砕から一転してそれ逃げろ
―列車にも乗れず延々長蛇の列
1阿鼻叫喚の牡丹江脱出 2猛火に包まれた横道河子駅 3泥沼に沈む車、山中に軟禁 4車は残骸、荷物は全部掠奪 5決死の絶叫、最終列車を停む 6豪華列車は軍人家族の疎開8ソ連軍無血占領、百鬼横行大掠奪
第3章 東満洲死の大行進
―天皇陛下自決の公表に悲涙潜
1日本人狩始まる、紳士も忽ち乞食 3天皇陛下自決の公表、全員慟哭す 4香坊出発、初めての野宿 6第1の死闘、豪雨の中の焚火 8第3の死闘、愛の鉄拳か有情の鞭か 9第4の死闘、餓鬼の前にご馳走の山 10第5の死闘、遂に死者を出す 11第六の死闘、野宿の大雷雨、凍死12軍歌に甦える「想婦憐」15経文も破れ、聖書も焚け 16忍び込んだ熱河戦の勇将 17拉古婦人部隊と涙の対面 18玉砕を夢見た北晴山に睡る 19夫婦の愛情、決死の脱走 24廃墟の都、死の町、牡丹江市街 26中佐参謀の軍服に烈しい憎悪 27執念深いソ連人の復讐心 28男は全部睾丸を抜かれる
第4章 凄惨!ハルビンの難民生活
―四面楚歌に囲まれた敗戦民族
2乞食姿は総て日本人4少年隊にも墓標は増える 5日本人の露店商売始まる 7日本人の赤ン坊買いましょ 10軍規整然たる八路軍に日本人喜ぶ 15珍案!跨線橋の荷物釣り 17新京の難民意外に好景気 19中国行商人の総攻撃
第5章 満洲ところどころ
―懐かしの山河は生きている
4無疵で引継がれた大宝庫(鞍山、撫順)5排日侮日の大本営(奉天)7歌手にならぬ前の東海林太郎(鉄嶺) 11名物裸踊りとポンコツタクシー(ハルビン)
第6章 徒然草
6毀損される名誉が有るか 12辻と三島と赤尾敏 18男子去勢は本当だった 20取残された明治教育の遺物 24明治の子供と昭和の子供 25公衆浴場は子供の教室 27女性の皮バンドと憲兵
著者略歴
明治三十一年(一八九八)岐阜県に生まれる
大正元年 (一九一二)名古屋市中村尋常高等小学校卒業
大正二年 (一九一三)日本陶器会社(現株式会社ノリタケ)に職工として入社、夜間中学に通う
大正六年 (一九一七)満鉄中央試験所 雇員となり大連に渡る
大正九年 (一九二〇)大連経済日報 記者
大正十年 (一九二一)営口経済日報設立 編集長
大正十二年 (一九二三)鉄嶺時報 編集長、その後、満洲日日新聞 鉄嶺支局長、大阪朝日新聞、毎日新聞通信員を歴任又は重任
昭和八年 (一九三三)鉄嶺広報設立、社長就任
昭和十一年 (一九三六)再度満洲日日新聞 牡丹江支局長
昭和十二年 (一九三七)牡丹江特産商聨合組合 常務理事、昭和二十年(一九四五)終戦までに東満飼料株式会社 専務取締役、亜細亜紙灰株式会社 監査役、牡丹江養鶏研究所 社長等を歴任又は重任
昭和二十一年(一九四六)十月帰国。以降、東京拘置所(巣鴨プリズン)雑役夫、ニコヨン等で生活の糧を得る。その後、紙芝居屋となる
昭和五十四年(一九七九)八月、逝去(享年八十二歳) 専門書↑
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