シーボーンキングダム
- 千年の時を刻むー
著者: 神近 義邦
判型: A5判・上製・420ページ
発行日 2021年11月15日
ISBN:9784909970114
定価:3,250円+税
人間は蓄えられた地球資源を食い潰し、飽食と使い捨ての生活を手に入れた。
間もなく転換点とされる地球人口が八十億人を超え、二十一世紀後半には百億人を超えるだろう。人口が増えているだけではない。中国やインドなど、十億人を超える人口を有する国の個人所得が急増し、一人当たりの消費エネルギーが増え続けている。広い土地に限られた人が住むのであれば、自然の持つ浄化作用や治癒能力によって生活することができるが、人口はどうにもならないほど増え過ぎた。
集中豪雨や突風、噴火や地震、大気汚染、山火事など、年々暮らしにくくなってきている。アマゾンの熱帯雨林が焼き畑農業や付け火によって燃やされている一方、南極や北極圏の永久凍土が溶解し、閉じ込められていた二酸化炭素が大気中に吹き出している。それが雨となって海へ流れ込み、海水を酸性に変えて海水温の上昇をもたらす。大量に蒸発した水蒸気は黒雲を作り、叩きつけるような豪雨となって地上に降り注ぎ、洪水となって住宅地を襲う。
科学の進化と情報過多が人間の幸せを奪っているように思えてならない。
これからも天候異変や経済格差によって、世界では多くの難民が生み出されるであろう。それは人権どころか、人間社会の崩壊をも招き兼ねない。
こうした社会背景の中で、私はテクノロジーによるエコロジーとエコノミーの共存を可能にした環境未来都市を造り、人々に「こんな街に住めたら幸せだ」と体感してもらうことが大切だと訴えてきた。志を同じくする人が徐々に集まり、その想いが大きな力となって誕生したのが「ハウステンボス」である。
本書、「まえがき」より
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