山本武彦著作集 3
科学技術と国際関係
著者:山本 武彦
判型:A5判・並製・288ページ
発行日:2020年9月10日
ISBN:9784909970039
定価:2,700円+税
山本武彦著作選集第3巻の刊行に当たって
本著作選集第3巻では、特に第二次世界大戦以降の国際社会で生起した原子力開発をはじめとする先端科学・技術開発をめぐる大国間の政治的、軍事的、経済的な相互作用について、特に科学技術最先進国であるアメリカの行動を意識しながら執筆してきた諸論文が収録されている。むろん、70年代後半以降、日本とアメリカとの間で演じられてきた技術摩擦の実相についても当時の与件を織り込みながら考察した論考も含まれている。近年、こうした争点がメディアを賑わすような事態は、めっきり減少した。その理由はいったい何なのか。このあたりの疑問に対する答えを探る作業を怠るわけにはいかない。その意味で、本巻が多少とも役立てば幸いである。
2000年8月15日
山本 武彦
目 次
山本武彦著作選集第3巻の刊行に当たって・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・i
第1章 「後発」核先進国の核政策の展開と対照性
―フランスと西ドイツを事例として——・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
第2章 西側同盟は何故きしむのか
― 厚くなる米国の“二重のカーテン”―・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・48
第3章 比較優位・パワー・国家安全保障
——アメリカの技術保護戦略を支える思想的底流——・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・58
第4章 技術革新と国家安全保障
―米国の技術保護主義の国際システムに及ぼす「負」の影響をめぐって―・・・・・67
第5章 技術交流と秘密の扉・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 88
第6章 科学技術「革命」下の国際システム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・92
第7章 技術de-coupling論の背景・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・105
第8章 なぜ富士通の米社買収は破綻したのか
―日本型「商産複合体」へのいらだち―・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・109
第9章 SDIとユーレカ計画の周辺
―エシュロン・システムをめぐって―・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・119
第10章 変わる日本の科学技術秩序
―日米科学技術協力協定締結のもつ意味―・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・128
第11章 技術革新と安全保障・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・134
第12章 地球を覆い尽くすガバナンス体系
―ジオ・ガバナンスの複合構造からみて―・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・138
第13章 「不動の覇権」狙う米国の技術戦略
「国家中核技術パネル報告書」に隠されたもくろみとは?・・・・・・・・・・・・・・147
第14章 クリントン政権の技術戦略と日米技術摩擦のゆくえ・・・・・・・・・・・・・153
第15章 同盟とテクノロジー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・163
第16章 技術摩擦と日本の選択・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・180
第17章 環境安全保障と軍縮・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・188
第18章 情報戦争のグローバル化と「経国済民」の策
―エシュロン・システムをめぐって―・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・202
第19章 科学技術活動のグローバリゼーシヨンと産業安全保障・・・・・・・・・・・217
第20章 科学技術神話の崩壊と東アジア「安全保障共同体」
―東日本大震災後の“新しい国際共同体”構築の思想―・・・・・・・・・・・・・・233
第21章 下北「核」半島と核燃基地
―原子力のガバナンスを巡る多層構造から見る―・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・248
山本武彦著作一覧・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・264
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