分裂の韓国政治
―政治的エリートによる政治的亀裂の形成―
著者:梅田 皓士
判型:A5判・並製・198ページ
発行日:2018年4月10日
定価:2,500円+税
本書は韓国政治を「亀裂」、「動員」というキーワードから検討したものである。本文中でも触れているが、現在の韓国社会を分断しているのは地域とイデオロギーである。筆者は韓国政治の研究を志して以降、韓国社会の「分裂」に関心を持ち、検討の対象としてきた。筆者が「分裂」に関心を持ったのは、韓国を見ていると、時に玉虫色で問題を決着させ、「大人の対応」を取ろうとする傾向がある日本とは異なり、物事に対して白黒つけようとする傾向が強いと感じることが多くあったためである。特に選挙における候補者の発言を聞いているとその傾向が強いことが印象的であった。そこで、それを「動員」として位置づけ、「分裂」に並ぶキーワードとしたのが本書における議論である。
あとがきより
目 次
序 章
第1節 本書における問題の所在
第2節 本書の目的と検討の範囲
第3節 先行研究の検討
第4節 本書の構成
第1章 本書における分析の枠組みと理論的背景
第1節 社会的亀裂と政党システムの関係
第2節 エリート理論と政策決定
第3節 本書における枠組みの全体像
小 括
第2章 韓国の選挙と政治的亀裂の変容
第1節 大統領選挙に見る政治的亀裂の変容
第2節 国会議員選挙に見る政治的亀裂の変容
第3章 韓国の社会変容に伴う社会的亀裂の変化
第1節 経済発展対民主化の亀裂をめぐる変化
第2節 地域の亀裂をめぐる変化
第3節 経済発展対民主化と地域の亀裂をめぐる変化
第4節 地域とイデオロギーの亀裂をめぐる変化
小 括
第4章 政治的エリ-トの合理性に基づく動員による社会的亀裂の政治的亀裂への転化の過程
第1節 経済成長対民主化の政治的亀裂
第2節 経済成長対民主化と地域主義の政治的亀裂
第3節 地域主義の政治的亀裂
第4節 地域主義とイデオロギー対立の政治的亀裂
小 括
終 章
第1節 本書における議論の総括と結論
第2節 今後に残された課題
参考文献一覧
・あとがき
執筆者紹介
梅田 皓士(うめだ ひろし)
1985年 福井県生まれ
2009年 拓殖大学政経学部法律政治学科 卒業
2010年 2010年度交換留学生として慶煕大学校(韓国)へ派遣 (2011年1月帰国)
2011年 拓殖大学大学院国際協力学研究科安全保障専攻博士前期課程 修了
2018年 拓殖大学大学院国際協力学研究科安全保障専攻博士後期課程 修了
博士(安全保障)
2018年 拓殖大学政経学部 非常勤講師
専攻 政治学、韓国政治
主要著作
『現代韓国政治分析―地域主義、政党システムを探る―』単著、志學社、2014年
『激動するアジアの政治経済(講座 臨床政治学第7巻)』共著、志學社、2017年
主要論文
「韓国における第19代国会議員選挙と第18代大統領選挙の展望」
『東アジアへの視点』 23巻4号、2012年
「韓国における地域主義への亀裂と政治的エリートの合理性からのアプローチ」
『法政論叢』 50巻2号、2014年
「韓国大統領選と文在寅政権の課題」
『海外事情』65巻6号、2017年
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