ジョン・ロールズと現代社会
規範的構想の秩序化と理念
著者 板橋 亮平
判型:A5判・並製・244ページ
発行日:2013年9月20日
ISBN:9784904180334
定価:3,500円+税
ジョン・ロールズはアメリカの哲学者で、主に倫理学および政治哲学の分野で功績を残し、学会に大きな影響を与えたことで知れている。功利主義の内在的克服を目指して、社会契約説を再構成した「公正としての正義」を提唱した。1971年、全三部作からなる大著『正義論』を公刊して、社会正義をめぐる活発な論争を引き起こした。本書は、ロールズの『正義論』を中心とする著作に関して、著者独自の考えを展開しており、欧米のロールズ研究はもとより、我が国のロールズ研究を十分に踏まえた内容であって、およそ政治学、哲学、倫理学、社会学などの社会科学に関心のある研究者にとって、必読の研究書である。内容もロールズの論理内容を見事に把握しており、今回の公刊により、我が国のロ-ルズ研究の水準は一挙に高まった、といえる。
現在、シリアの混乱を始めとする中東情勢の緊迫化が進む中、アメリカの中東に対する軍事的介入の是非が問われている。我々は、今一度、“正義”とは一体何か問う必要に迫られている。“正義”をめぐる論議は、古代のプラトン以来の大きな課題であって、本書の公刊を契機に、正義を自由、平等、福祉といった現代社会の重要問題と関連づけ論じることになれば幸いである。
ロールズの『正義論』に関する新たなコペルニクス的論争の展開を期待して。
著者: 板橋 亮平(いたばしりょうへい)
1970年 東京都に生まれる
1995年 明治大学政治経済学部政治学科卒業
1997年 中央大学大学院経済学研究科経済学専攻博士前期課程修了
2000年 中央大学大学院経済学研究科経済学専攻博士後期課程単位取得退学
2001年 中央大学経済研究所準研究員(~2006年)
現 在 法政大学大原社会問題研究所嘱託研究員
専 攻 政治哲学・政治思想
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